Tea room
Shamrock Cottage
高原の森の奥。
静かな時間の流れを愉しむ
あなたのための、
小さな小さな、隠れ家です。
朝の時間 06:30-11:00
午後の時間 13:00-18:00
(※11時~13時はお休みです。)
営業日はWEB予約システムのカレンダーやSNSをご参照ください。
NO TO 出張CAFE ㏌黒島 これからのこと
今回の訪問では、炊き出し活動の後に少し、天領黒島集落の中を歩く時間が取れました。
同行してくれた仲間達に、少しでも被災した集落の様子を見てほしい気持ちもありました。
また、3月下旬に来た時から個人的にずっと気になっていた神社にも、立ち寄ることができました。
参道入り口にある石製の鳥居が無惨にも崩れてしまっていたので、本殿はどうなってしまっているのか心配だったのです。
神社は階段を登った高台にあり、参道終点に立っている木製鳥居は崩れることなく立っていました。
参道に対して少し斜めに立っていて不思議な造りだなーと思いながら一礼して神域に入り、さらに階段を登っていくと、
灯篭、手水舎、狛犬、全て崩れていました。本殿も完全に傾いていました。
忘れずにお賽銭を持って参拝に行かなきゃと、少し浮かれていた自分を恥じるくらいの甚大な被害でした。
神社が大好きな私は、再建までどれくらいかかるのだろうかと落ち込みながら帰ろうとして振り返った瞬間、
参道に対して斜めだった鳥居の謎が解けました。
太い丸太で組み上げられた大きな鳥居は、本来在るべき石の土台から、大きくずれ動いていたのです。
幸いにも控柱が鳥居の前後に突き出した両部鳥居だった為に、倒れることはなかったのでした。
でもこんな大変な重量の鳥居が、これほど横にズレて移動しているだなんて、一体どれだけの地震の揺れだったのだろうと、
改めてゾッとしたのでした。
衝撃を受けての帰り道、天領黒島集落が誇るお祭りの山車を保管してある資料館の前を通った時、
偶然にもお弁当を食べに来てくださっていた方々が、資料館の中を見ていくかい?と声をかけてくださいました!
わざわざ鍵を開け、一つ一つ丁寧に展示物の説明してくれて、
いかに集落の皆さんがこのお祭りに誇りを持っているかが感じられました。
奇跡的に高さ8メートルもある山車は倒れることなく無事で、管理人さんもそれを誇らしげに語っていました。
今この山車と同じものを作ろうと思うと30億円くらいかかるそうです!
漆塗り部分は全て輪島塗。そして箔の部分は全て金沢金箔でできているからだそうです!
集落に活気を取り戻すためにも、お祭りは、やりたい。
せめて山車だけでも、引っ張りたい。
でも、神社は崩れ、神輿もない。
神事としての意味がないから、祭りはやるべきではないと言う意見もある。
すごく葛藤されているご様子でした。
崩れてしまった神社にお参りを終えてきたタイミングでこのお話を聞いたので、このお話は胸に迫るものがありました。
私には何の力もないけれど、なんとか神社の再建の為に少しだけでも役に立てないだろうか?いや、立ちたい!
そんな気持ちが湧き起こりました。
でもその前に、ここで暮らす人々の生活環境を確保することが最優先なのはわかっています。
これからもこの天領黒島集落へと可能な限り足を運び、現地の皆さんと少しでも心を通わせていけたらと思いました。
そのうちに、神社の再建のことについても、何かの動きに関わることができるかもしれない。
今回の炊き出し活動は、また更に一歩だけでも、集落の皆さんと距離を縮めることができたと思います。
能登は私を癒してくれた場所。
私は、これまでたくさんの人に助けられて生きてきました。
大袈裟ではなく、人生の危機を、命の問題を、助けてもらいました。
その恩人達には、今でも恩返しできず甘えてばかりで、お恥ずかしいばかりです。
でも、そんな経験があるからこそ、
本当に微力でも、今度は私が手を差し伸べることができるような人間になっていきたいと思うのです。
日々のお仕事でも、やらなければいけないことはたくさんあります。
でも、可能な限り、能登のために時間を作っていこうと思っています。
止まってしまったら、臆病風に吹かれて、また一歩も動けなくなってしまう自分であることを知っているから。
そして今回のプロジェクトを通して、こんな情けない私にも、力を貸してくださる方が大勢いてくださることを知ったから。
本家【指輪物語】でも、なけなしの勇気を振り絞って、旅に出ることを決めたのは、
最も非力で、最も情けない、ホビットでした。
でも、そんな弱い弱いホビットは、“旅の仲間”達の助けと期待を得て、ただひたすらに歩を進めたのです。
美しい美しい故郷、ホビット庄での素朴な日々の思い出を胸に強く持ちながら。
この“輪島物語”でも、わたしは情けなくても、ゆっくりとでも、歩み続けたいと思います。
参道入口の石でできた鳥居
木製鳥居は立っていました。が…
参道は灯籠などが倒れたままでした。
鳥居が斜めだった理由。
石の土台から落ちて横にずれ動いていました。