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輪島物語 旅の仲間 (たびのなかま)

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資料も作成し、プレゼンスタート

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桜が満開の時期でした。

被災地の状況、そして私たちの想いを

熱くプレゼンしたところ、

優しい彼女たちは、快諾してくれました。

3月下旬の生まれて初めてのボランティア活動は、

大げさではなく、人生を変えるような感動を与えてくれました。

能登半島からの帰り道、自分たちがこの数日間で経験させてもらえたことを振り返りながら涙を溢し、

そしてその車中において、既に次のボランティア活動の計画を練り始めたのです。

次はコーヒーだけでなく、お食事もふるまいたい!

輪島市黒島は元々が高齢化率75%超の集落。80歳の方までもが避難所の運営側に回り、

負担の特に大きな調理班は、少ない人数で日々3食の用意を震災以来続けているとのお話を聞きました。

ほんの一時だけでも、調理班の負担が減るように。​

ほんの少しだけでも、避難所の皆さんの気分転換になるように。

その為の炊き出し活動をしたいと思いました。

でも、私たち2人だけの力では、大人数の料理をご用意するのは難しいなと悩んでいる時に、

パッと思いついたのが、友人の角煮食堂さんのことです。​

角煮食堂さんは月に数回、身体に優しくて品数豊富な食事を何十人分と提供しており、経験やノウハウに疑いがありません。

そして内容的にも、年配の方が多い避難所の皆さんにも喜ばれるのではないかと思いました。

また長い付き合いの中で、彼女が長距離運転を苦としないことを知っていましたので、これ以上に適した人はいないと思いました。

能登半島からの帰りの車中において、既に角煮食堂さんに「ちょっと相談したいことがある」と打ち合わせのアポを取りました。

それからわずか3日後、とあるカフェに集合しました。

共通の友人で、以前に角煮食堂のお手伝いを務めたことのあるSさんにも来ていただきました。

彼女は趣味でカメラも操り、記録係としても彼女の助けがあれば百人力でした。

能登での初めてのボランティア活動から帰宅後、この日の彼女たちへの協力依頼・プレゼンの為に、

急いで資料も作成しました。車中泊続きで疲労も溜まっていましたが、突き動かされるように。

 

なんといっても、2泊3日の過酷な無償労働を強いるのです。

日頃しっかりと勤めに出ている彼女たちに、3日間の有給休暇を取らせるのです。

いくら友人とはいえ、こんなお願いは普段の私達には決してできないことでした。

 

今の私たちは、勢いに任せて動くことしかできなかったのです。

立ち止まってしまうと、また臆病風に吹かれて、何もできなくなってしまいそうだったから。

私たちの話を聞いた彼女たちは、私たちの勝手さに怒ることもせず、そればかりか涙を流し、

その場で炊き出し活動への協力を快諾してくれたのでした。


そしてその勢いのままに、5月15日(水)に、輪島市黒島集落での炊き出し活動を決定しました。

さて、継続した支援を行っていくためには、どうしても費用がかかります。​

特に、個人的に労働力だけを提供しに馳せ参じるボランティア活動とはまた異なり、

炊き出し活動を繰り返し実行していくためには、どうにかして食材費などの原資を確保せねばなりません。

ちっぽけなお店を、息も絶え絶えに営む私たちには、本当に恥ずかしながら、経済的な余裕がありません。

でも、ボランティア活動には行きたいのです。

持てるものだけが奉仕をでき、持たざるものは奉仕すらできない、そんな世の中は、いやだなあと思いました。

その為に、恥をかくことを恐れずに、たくさんの人からの助けを、募ることにしました。​

地元・駒ヶ根市でイベントを開催し、皆様からの募金分も上乗せした価格での商品販売を行うことにしました。

これもまた、非力な私たちだけでは、決して成しえないことです。

なので大好きなお店さんたち(長い付き合いの、同志たちです)にすがりついたら、

驚くべきことに、快くご協力いただけることになりました。

イベントの内容も、私たちらしく一癖のあるものにしようと思いました。

多くあるチャリティーイベントでは、【売上の〇〇%を被災地に募金】といった形が採られたりしますが、

​それよりも、もっともっと、​しっかりと、お客様自身に、自分の持てるものを被災地へと分け合う感覚を持っていただきたいと考えました。

​5月3日、
このイベント会場に来てくださるお客様は、
最初から『損』をする覚悟で来てくれて、
自分の持てるものを、分かち合う気持ちのある人たち。


そして最も忙しい連休の最中に、自身の商売を脇に置いて、駆け付けてくれる出店者さん達。


当日のその空間には、誰1人として『自分だけがトクをしよう』という考えの人がいない、

そんな夢のような平和で優しい場所が、現実に作れるのではないかと夢見たんです。


それは能登半島で、1日の作業を終えて泥だらけのボランティアスタッフの皆さんに、

汚い手でコーヒーをふるまって一緒に飲んだ時、その輪の中で強く感動して震えたことの、再現です。


『この場にいる人は大前提として、みんな優しい人』​​​​

​イベント会場に集うのは、一人一人が皆、このちっぽけで壮大な、【輪島物語】の旅の仲間 なのです。

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出店者が決定し、イベントのチラシも急いで作成

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