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奥能登へ

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鉄の柵がぺしゃんこになっていました。​

酒垂神社の社殿は崩れずに建っていて、中に入ってお詣りすることができました。

酒垂神社から見下ろす街。

6/19

 

ずっとずっと様子が気になっていた、能登半島でも震源地へと近い、能登町や珠洲市を訪ねることにした。

私たちが何度もお邪魔している輪島市門前から、能登半島先端の珠洲市までは約80km。車で2時間もかかる距離なのだ。

 

輪島市門前ですら、倒壊家屋など目を覆いたくなるような惨状が震災後半年経ってもそのままなのに、

更に震源に近い珠洲市は一体どうなってしまっているのか。。

​​

先ずは能登町にある酒垂神社に伺った。

私たちの友人の友人が、ここ酒垂神社がご実家とのこと。

友人から、復興に向けたクラウドファンディングの立ち上げなどの尽力の様子を聞き、一度現地を訪れたかったのだ。

神社の再建に向けての取り組み方、自分たちの今後のボランティア活動の方針を考えても、とても参考になると思った。

この日は現地の視察だけの予定でいたので、神社への参拝を済ませて帰ろうとすると、

境内に座っていたおじさん二人組が話しかけてきてくれた。

聞くと、この地域が故郷だそうで、震災後の状況を見に帰ってきているのだそう。

私たちが輪島市へボランティアに来ていることを伝えると、この町で7月にお祭りがあるから、是非見においでと言ってくださる。

前述の酒垂神社クラウドファンディングページにも記載があったけれど、

豊漁や豊作を願い、自然と共に生きてきた能登の人々には、神様とお祭りを大事にする文化が根付いている。

祭りが終わると365日のカウントを始めるくらい町民はお祭りが大好きなんだそうだ。

正にそのことを強く感じさせてくれるような出会いだった。

復興と、祭りとは、切り離せないものなのかもしれない。

こんな話を聞くことができた先入観もあってだろうか、能登町には活気があるように見えた。

いつもボランティアで訪れている輪島市門前とちがって商業エリアだったからかもしれない。

倒壊家屋の数も輪島に比べると少なく感じたし、営業を行っている飲食店や銭湯も目につき、なんだか賑わいを感じたのだった。

けれど、その後に目的地とした珠洲市の珠洲神社付近では、またそんな気分も消え去ってしまった。

地震は、先週発生したんだっけ? 先月のことだっけ?

そう思える程に、そのまま、の景色が続いた。

震災を通して、辺境の集落の【過疎】といった問題にも、考えが及ばざるを得ない。

このようなピンチが訪れた時に、人が少ない、若者が少ない、ということが、どういった問題をもたらすのか。。

辿り着いた能登半島の先端、珠洲神社は、震災前にも2度も訪れている場所だ。それぐらいに、好きな場所。

この近くが、震源地だ。

象徴的な海に面した大きな鳥居は、崩れてなくなっていた。

幸いにも、拝殿と本殿は数年前にしっかりと立て直したおかげからか、倒壊することなく無事だった。

​灯籠や狛犬も全て崩れ落ちていたが、狛犬はしっかりと台座の足元の地面に立てられていて、

境内を守りに、いつもよりも低い場所から睨みを利かせていた。

長い登りの参道を帰る時、道の先から箒をかける音が聞こえてくる。

女性がせっせと石畳の掃き掃除をしていた。

​自然と頭が下がった。

鳥居も、手水舎も、灯籠も狛犬も崩れている。

それでも、手の届く範囲でその場を清める。お掃除をする。

それだけで、少し気持ちの良い風が吹く。

自分たちのボランティア活動もそうだ。

本当に微力だけれど、手の届く範囲で、少しでもお掃除をして、

一瞬でも、ほんの少しでも、気持ちの良い風をと思う。

帰途、道の駅すずなりで休憩をした。

のと鉄道 旧能登線珠洲駅の跡地

 

ただでさえ寂しさ漂う廃線のプラットホーム。

追い打ちをかけるように、背後には倒壊した家屋が並ぶ。

しかし、そんな重い全てを吹き払うかのように、

プラットホームで戯れる幼い子供たちと、微笑みながら見守る親御さん達。

 

健気さ。

逞しさ。

込み上げてくるものを、抑えることができなかった。

この光景を、忘れないようにしたい。

能登半島に通うようになって、大変な状況を目の当たりにしながらも、

僕たちは確かに【希望】の姿も、見せてもらっている。

​​

平穏な日常生活の中にいながらも、暗いニュースなどの情報過多で、かえって見失いがちな、

 

【希望】の確かな姿だ。

​​​

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↑海に面した大きな鳥居が立っていた頃

​↓跡形もなく崩れていました。

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奥能登に入るとこの看板が

沢山建っていました。​

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​たくさん、わらおうね。 

 

たくさん、よろこぼうね。

​たくさんの、たのしいことが、あるからね。

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